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勝手に小説化:アマガミAS 絢辻詞編 第9章「告白」C-Part

とても時間がかかりましたが第9章の完結編であるC-Partです。
この第9章は絢辻さんと純一のお話しから徐々に違う方向に展開することを念頭において書いたので思った以上に難しくて時間がかかってしまいました。
それと同時にちょっと体調が悪かったり、お仕事の方でも異動があったりとなかなか密度の濃い2月、3月でした。
ASの創作と共にアマガミ関連でもいろいろと展開もありましたので、落ち着いてきたら徐々にブログに話題として書いていきたいと思います。
これだけ時間をかけたにも関わらずクオリティの方はかなり心配ですがよろしくお願いします。

C-Part Start


「薫……大丈夫?」
「大丈夫よ――てんきゅね!」
 言葉とは裏腹に疲れた表情の薫――責任感の強い薫のことだから本当に急いで来たのだろう。
「お、絢辻さんも棚町もこっちだ早く座りな」
 通路側に座っていた梅原君が私達に気付いて手招きをしながら場所を教えてくれた。
 席に近づくと両サイドの座席が向かい合わせになっていて、進行方向に向かって右側に彼と田中さんが窓側に座っていた。
 一方の反対側には梅原君と伊藤さんが座り伊藤さんの正面に桜井さんが座っている。
 梅原君と伊藤さんは目の前に桜井さんが座っているのにもかかわらず、この世のものとは思えない程の甘い世界を展開していた。
「……ハイハイ……ごちそうさま……。私、昔から乗り物には強い方だと思っていたけどいろいろな意味で酔いそうだわ……」
 私は、あえて二人を見なかったことにして反対側の席に座った。
 結局、田中さんの隣に薫、彼の隣に私といつもの定置だ。
「危なかったな薫……もう少しで乗り遅れるところだったな」
「いつも遅刻ギリギリのアンタに言われるのは不本意だけど、本当に危なかったわ……」
 さすがに薫も反省しているのが今日はいつになく彼への反撃が弱い。
「まぁ、何とか電車にも間に合ったのだし良しとしましょ」
「そうよそうよ!」
 私の発言に薫がいつになく大きく頷く。
「ところで絢辻さん、別荘までは時間にしてどれくらいかかるの?」
「そうね――約二時間てところからしら。後は駅から少し歩けば到着よ」
「結構、時間かかるんだね」
「それじゃー時間もあるみたいだし私の新しい占いでも試してみる?」
「お、恵子また新しい占い考えたの?」
「うん、そうなんだ。じゃーまずは薫を占ってあげる」
 私達は、順番に田中さんの新しい占いを試しながら道中を過ごした。 
  ・
  ・
  ・
 二時間後――。
 電車はようやく目的地の駅に到着した。
 小学校の頃に一度この土地には家族で来たはずなのだけど、低学年の時に訪れて記憶が曖昧なせいか懐かしいと思う記憶が湧かない。
 しかし、心から友人と呼べる面々で再びこの地に降り立つことになるとは当時の私にとっては夢にも思わないことだろう。
「さて、行くわよ。早速だけど橘君と梅原君は荷物をよ・ろ・し・く・ね!」
「「は、はい!」」
 なぜか二人同時に背筋をピンと伸ばしながら緊張した様子で返事をする二人――。
 さすがに女子五人分の荷物を全部二人に持たせるには無理があるので、大きな荷物を中心に持ってもらうことにした。
  ・
  ・
  ・
 三〇分経過――。
「と、ところで絢辻さん」
 既に汗だくになっている彼が私に話し掛けてきた。
「何よ?」
「駅から歩いて直ぐという別荘はまだですか?」
「ん~もうすぐかしらね――」
「さっきからもうすぐとしか……」
「男の癖にだらしないわねぇ」
 全員の中で一番荷物を持ってきたと思われる薫が二人に檄を飛ばす。
「おいおい、そりゃないぜ棚町……お前さんの荷物が一番多いんだぜ」
 彼に負けない位、汗だくになっている梅原君が苦笑いを浮かべながら薫に突っ込む。
「うっさいわねアンタも。無駄口を叩く暇があるんなら一歩でも足を前に動かしなさい!」
「た、棚町……」
 疲労した上に薫の容赦ない言葉に思わず言葉を失う梅原君……。
「わ、私もそろそろ限界かも……」
 電車の中ではこの土地の名産の話題で盛り上がっていた桜井さんもかなり疲労の表情を浮かべている。
「もう、みんな日頃から運動不足よ!ほら、見えてきたわよ」
 確かにお世辞にも駅から近いとは言えないけど、目に前にようやく目指す建物が見えてきた。
 白い大きな二階建ての建物で海側にはオープンデッキとプライベートビーチが見える。
 貸別荘と言うことだけはあってとても豪華な感じの建物だ。
 私達が到着する時間は事前に伝えていたので玄関には叔父さん達夫婦が待っていた。
「よく来てくれたね詞ちゃん。それにしてもしばらく見ないうちに本当にべっぴんさんになったな~」
「お久し振りです。叔父様――この度は本当にありがとうございます」
「いーよいーよ。急なキャンセルだったしね。それに詞ちゃん達が来てくれたお陰で私達もシーズン中にもかかわらず三日も休暇が取れることになったんだから本当に感謝してるよ」
 久し振りにあった叔父さんは本当に嬉しそうな様子だ。
「立ち話もなんだ。さっ、みんな早く建物の中に入った入った」
 叔父さん達は、私達を早速玄関ホールに案内してくれた。
 玄関ホールにはちょっとしたカフェコーナーがあり、私達はそこに案内された。
 しばらく昔の話しなどをしてくれた叔父さん達は別荘の簡単な説明をしてくれた。
「じゃー詞ちゃん。悪いけどそろそろ出掛けるとするよ」
「はい、後は任せて安心して旅行を楽しんでください」
 叔父さん達は玄関に止めていた車に乗り込んだ。
「じゃー後はよろしくな」
「「気を付けて行ってらっしゃい!」」
 一同で叔父さん達を見送った。
「さて、まずはこの別荘を理解する為にも建物の中を探検――」
「何を言ってるのかしら棚町さん。まずは、涼しい内に勉強するわよ」
「そんな殺生な……」
「既に勉強合宿は始まっているのよ――棚町さん」
「もぉーお堅いんだから」
「何か言った?」
「いえ、別に……」
 少し残念そうな薫をよそに午前中の涼しい時間を使って早速勉強合宿を開始した。
 昼食は冷蔵庫の中にあるものを好きに使っていいとの叔父さん達の行為で桜井さんが腕に寄りを掛けて作ってくれた。
 午後からは薫の提案でプライベートビーチで泳ぐことになった。
  ・
  ・
  ・
「つ、遂にこの時が来たな……大将!!」
「今、この瞬間こそが合宿エピソードにおけるお約束の水着回というやつだな!!」
「おうよ大将!」
「そして、水着回には必ずお約束の――」
「何がお約束なのかしら」
「あ、絢辻さん……」
 梅原君と相変わらずの様子で騒いでいた彼――。
 私の声を聴いて恐る恐る振り向いた瞬間に彼の表情が豹変した。
「何と言うことだ――絢辻さん……いい~いいよ!!」
 彼の明らかに何度も上下している視線を感じて思わず持っていたタオルで体を隠した……。
「ビーチなのにスク水――何という難易度の高い至高のミスマッチ……最高だよ絢辻さん!!」
 とても嬉しそうな様子で握手を求めてくる彼……。
「いったい何を騒いでるのよ?アンタ達は――」
 彼の異様なテンションを感じてか薫がやって来た。
「私の水着姿を見てから変なのよ……」
「水着って……ちょっ!ア、アンタ――何でこんなところでスク水着てるのよ!」
彼と同じようなリアクションをする薫。
「何を言ってるの棚町さん。いくらプライベートだとは言っても校則にはなるべく学校指定の物を着用と書いてあるはずよ。もちろん、水着も例外ではないと思うわ。それに……」
「それに?」
「な、何でもないわよ」
 実際のところ、スクール水着でなくても良かったのだけど今まで友達と海に出掛ける機会もなかった私は学校指定以外の物は持っていないのが本当のところなのだ。
「今時、小学生だって海にスク水を持って来ないわよ」
「ふん!スクール水着の方が泳ぐという観点から考えるととても機能的だと思うわ」
「機能的ね……」
「まぁ 、確かに棚町さんの方が明らかに水の抵抗が少なさそうだからスク水着用の私ですら敵わないかもね」
「アンタって……」
 呆れ気味とも引き気味とも見える薫と未だ興奮が冷めやらぬ様子の彼だった。
  ・
  ・
  ・
 夕食は、冷蔵庫にある新鮮な魚介類を使って梅原君がお寿司を握ってくれた。
 海で泳いだ疲れと夕食をお腹いっぱいに食べたこともあり、夜の勉強は程々に今日は早く就寝することになった。
 いつもより早く就寝したせいなのか私はふと眼を覚ました――そして、隣のベッドに寝ていた薫の姿がないことに気付く。
 トイレにでも行ったのだと思いながら私は少し喉も渇いたので一階のカフェコーナーに向かった。
 カフェコーナーに入った時にオープンデッキの方から夜風が部屋に入っているのに気付いて視線を向ける。
 そこには夜空を眺めながら薫が座っていた。
 私は、カフェコーナーでコーヒーをいれてからオープンデッキに向かった。
 薫は私がオープンデッキに入ってきたのは気付いている様子だったけど、一瞬視線をこちらに向けたかと思うと再び黙ったまま夜空を眺めた。
 私は黙って薫が座っている反対側の椅子に座った。
「あら、夜空を眺めがらお茶なんて意外とロマンチストなところあるじゃない」
「そうね……」
 どこか上の空で聞いているような返事に私は少し困惑する。
 そして、お互い向き合ったまま続く沈黙――。
 私はこのいつ終わるかわからない沈黙を破るかのように再び薫に話しかけた。
「どうしたの?何かいつもと雰囲気が違うわよ……何かあった?」
「そうね……」
 返事はするもののずっと夜空を眺めたまま何か考えている様子だ。
 いつもなら二人っきりになれば薫の方から話しかけてくるのだけどずっと黙ったままだ。
 薫は夜空を見上げたまま少し息を吸って何か言葉を吐き出そうとしているけど、考えがまとまらないのか幾度もため息に変わり上手く伝えたい言葉を出せない様子だ。
 何度か溜息をついたかと思うと今度は急に立ち上がって私が座っている方を真っ直ぐに向く。
「あー、何かこうやってあれこれ悩んでる姿なんてアタシらしくないわね――」
「薫?」
 急に立ち上がったかと思うと今度は矢継ぎ早に独り言を言い出した。
 そして、何か覚悟を決めた様子で私に喋りかけてきた。
「アイツ――アイツと私の関係って何だろうね……?」
「どうしたの突然?そうね……これは薫達を初めて見た印象だけど――悪友って言葉がピッタリじゃないかしら」
「悪友ね……私もずっとそう思ってた。でも――」
「でも?」
「アタシとアイツはね中学からの腐れ縁でずっと一緒なのよ。だから……だからアイツの悪いとこ100個は言える……でもね、良いとこは101個言える!アタシ……アタシ、アイツの事が好き!」
「薫……」
「あーあー遂に告白しちゃった……ずっとこの気持ち誰にも言わずに抑えていようと思っていたのに……よりによって告白した相手がアイツの彼女とはね――」
 さっきまでの何か悩んでいた様子とは対象的にいつものさばさばした薫らしい言葉だけど、再び夜空を見上げている薫の横顔には涙が流れていた。
「薫……涙が……」
 私は居ても立っても居られなくなり席を立ち上がって思わず薫を抱きしめた。
「どうしたのいきなり……詞が感情的に動くなんてらしくないわよ」
「そうね。とっても頼りになる悪友達の影響かしら」
 気が付くと私も自然に涙が流れていた――でも、この涙は悲しい時に流す涙ではなく紛れもなく嬉しい時に流す涙だ。
「ゴメンね ……変なこと言っちゃって。でも、詞とはずっと悪友でいたいから――」
「うん、分かってる……だから私も嬉しくって――」
「詞……てんきゅね。でも、何か情けない姿を見せちゃったわね」
「ううん。そんなことない」
 一見、気ままでさばさばしたように見える薫だけど、その外見とは裏腹にとても繊細な内面を持っていることを知ってしまった私にはどれほどの思いを持って告白してくれたのかが痛いくらい伝わる。
「でもね、今はアイツと詞が一緒になって本当に良かったと思ってる……本当よ」
「うん。分かってる」
「だから……だからアイツのことをよろしくね。これは、アイツの悪友としてのお願い」
「薫……。薫のことはねずっとクラスの輪を乱す要注意人物としてしか見てなかった。だから本当はずっと苦手に思ってた――。でもね、創設祭でのできごとを通して見直したし、今はこうやってお互いの気持ちを何の遠慮もなく語りあえる悪友になることができて心から良かったと思ってる。本当にありがと」
「詞がアタシのことをずっと苦手に思ってたこと知ってる。でも、てんきゅね」
 涙を流したままの笑顔で私に優しく語りかける薫。
 取り留めのない会話から思わぬ形でお互いの本音を告白する夜になったけど、伝えたい言葉はお互いただ一つだけだった。
 寄せては返す波の音が私達に時間の流れを告げているかのようだったけれど、今夜だけは特別に時間が止まっているように感じた。
 そして、薫とはこの先もずっと悪友でいたいと思う気持ちが確信に変わる夜となった。

アマガミAS 絢辻詞編 第9章「告白」C-Part END
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No title

2回目のコメントでーす!!

時間がなくてまだ、最新小説は読んでおりませんが。。。

やっと、アマガミの全ルートが終わりましたー!!!

これから、ちょっとおまけ劇場等をやっていこうと思います。

自分の小説ですが。。。

とりあえずは、今ある作品をモディファイして文章化してみるところから始めてみようと思います。
要するに簡易ノベライズですww
そこから、自分の妄想を組み込んでいく形にしていこうと思います!!

次回作も楽しみにしていますー!!!

コメントありがとうざいます!

>Dすけさんへ

仕事の方でかなりバタバタしててお返事が遅くなり申し訳ないです。><
ブログの方も更新するにはなかなかまとまった時間が取れない状況でいますが落ち着いてきたら更新の方もして行きたいと思っています。
アマガミ全ルート制覇おめでとうございます!!
自分は完全コンプリートまでは行っていませんが始めると知らず知らずに絢辻さんルートについつい行ってしまうのが悩みの種です。w
Dすけさんも創作活動頑張ってください!!
自分は、既に第10章のAパートの創作に入っている状況です。
頭の中では大まかなプロットは完成しているのですが出だしの部分がなかなか思った文章が書けずに苦戦中であります。
できれば、今月末から遅くても来月中には公開できればなと思っています。
今後ともブログ・小説共々よろしくお願いします!!
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プロフィール

えぴおん

Author:えぴおん
ブログにようこそ!管理人のえぴおんと申します。ブログタイトルのとおりアマガミ「絢辻詞」に関する話題がメインですがアマガミ全般についても語っていますので、アマガミ好きの方よろしくお願いします。また、相互リンク等も随時募集していますのでアマガミストの皆様よろしくお願いします。

メール:
kurotsujiblog@yahoo.co.jp
Twitter:@kurotsujiBlog

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